マミフラワーデザイン展2019 出品レポート その2

搬入当日の朝、藤づるのボールにグリーンを加えるため、今年伸びてきた藤づるも持っていくことにしました。藤は水落ちしやすいのですが、出来れば葉っぱもつけたくて、ネットで調べたら切り口をアルコールに浸すといいとあったので、試してみました。

夕方、松屋銀座に出向いて、搬入作業を行いました。
デザインは色々と考えていましたが、三宅さんのアルストロメリアは茎や葉っぱも綺麗で、長さもあり、やっぱりその全体の姿を生かしたくなったのと、花も色や形や模様が違っていてどれも綺麗なのでひとつひとつよく見えるように、1本ずつ立てることにしました。何本か束ねた方が色が強調されやすいですが、束ねて花の面を作ると欧米っぽく感じられ、器に花を立てて線を見せる方が日本らしいイメージかなーとも思いました。ただ、全体として色のテーマがわかりやすいように、花の高さをある程度そろえて、赤、黄、白のグラデーションになるように配置しました。
三宅さんのお花は、細くて繊細に見えますが、茎がとても丈夫でしっかりしています。花も軽いので、高さのある状態で、1本ずつすっと立てることがやりやすいのも、このお花だからこそと思います。

ひと通りいけて、先生にチェックしてもらったところ、やはり藤の葉っぱが少し元気がなくなってきていることを指摘されました。そこで、アルストロメリアの葉っぱがたくさんあってきれいだったこともあり、藤の葉は全部カットすることにしました。また、それぞれの花がよく見えるように意識して立てていたら、引いて見た時に全体的にやや前のめりで、なんとなく不自然だったので、やり直すことにしました。
結局、今回も22時近くまでかかってしまいましたが、以前に比べるとだいぶ落ち着いて作業出来ました。

翌朝、早めに会場に行ってみましたが、どのお花もきちんと立って綺麗に咲いており、向きを少し調整して、お水を足すくらいで、ほとんど何もメンテしなくてすみました。
この日は日曜日だったので、開場早々多くのお客様が来場されました。大盛況だなーと眺めていたら、新人賞だと知らされました。今回、講師になって初の講師作品展で、一生に一度の新人賞対象の機会だったことと、受賞作品はマミフラワーの月刊誌にコメントつきで紹介されるので、オーガニックフラワーを広く知ってもらうためにも、受賞できたらいいなーと思っていました。いざ、本当に受賞できて、これまでの色々な出来事なども思い出して感慨深い気持ちが湧き、続けてきてよかったと心から思いました。

そして、私の想像以上に多くの方から「おめでとう」と声をかけていただき、三宅さんのお花やオーガニックフラワーの話も聞いていただきました。たくさんの来場者の方が、作品を眺めたり写真を撮ったりしてくれて、とても嬉しかったです。
翌日の最終日には、わなびやさんも見に来てくれて、一緒に喜んでくれて、いい報告が出来て本当によかったと思います。
授賞式へ出席したり、会場にお越しになったマミ先生とも握手して「おめでとう」と声をかけていただけたり、貴重な経験ができました。
また、長年の友達や自宅のご近所の方、オーガニックフラワーで知り合った方や家族も見に来てくれたり、他の出品者の先生方と色々なお話が出来たり、本当に有意義な2日間となりました。

今回、マミ先生は「三笠の山」という作品でした。
1週間の作品展の初日に見た時は、なぜかピンとこなかったのですが、後半になるにつれて、とても素敵かも!と感じるようになり、前半は自分の感性が鈍っていたのかなーと思っていました。
そうしたら、最終日の朝、岡田恵子先生にマミ先生の作品ことについて、聞く機会がありました。
作品展の1週間の間に、枝ものの新芽が10cmくらい伸びてきたそうです。確かに、写真を見比べると、会期後半の方が伸びた新芽で、より自然の山のような雰囲気になっていることが、わかりました。
生きているものを素材としていて毎日変化していくこと、人が作った造形に植物の生命が加わって新たな作品となっていくことは、生花を使ったフラワーデザインならではの面白さだと思います。
他にも、作品の毎日のメンテナンスや、サンゴミズキの赤い枝の保管、ショウブとカキツバタの葉っぱの違いなど色々なお話しが聞けて、とても興味深かったです。
マミ先生の作品にもアルストロメリアが使われていて、淡いピンクとオレンジ色が優しい雰囲気でとても素敵でした。

作品展が終わってからも、アルストロメリアはまだまだ綺麗だったので、練習も兼ねて、再度、いけたり束ねたりしてみました。最初の花が散って実が膨らみ、少し小さめの二番花が咲いている姿もかっこいいなーと思います。

今回の作品展では、選んだ器が浅くて水深が1cmもない場所もあったので、少し心配でしたが、2日間ダメになってしまうお花は1本もありませんでした。
オーガニックフラワーも、必ずしも全てが丈夫とは言い切れませんが、より自然な状態で丁寧に栽培されたお花は、その花らしい魅力や美しさ、生命力が感じられると思います。

マミ先生は、戦後のモノが少ない時代に、フラワーデザインを普及するために、様々な工夫をされたそうです。
オーガニックフラワーも、花の市場全体から見たら、非常に少ないのが現状ですが、お花の種類や生産量、販売店や利用者の方も増えてきています。
マミフラワーの講師の資格を取得してひと段落という気分になっていましたが、今回の作品展を通して、ここからが本当のスタートなのかも、という気持ちになりました。
今後も、本当に自分がやりたいと思うこと、今の自分に出来ることを、少しずつでもやっていきたいです。

最後になりましたが、三宅花卉園さん、わなびやさん、マミフラワーの皆様、ご来場いただいた皆様、いつも色々と相談にのっていただいたりご協力いただいたりしている皆様に本当に感謝しております。ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

3期にわたり約300点の作品が展示された『第20回記念マミフラワーデザイン展2019「日本の美」ーことば・いろ・かたちー』。マミフラワーの月刊誌「フラワーデザインライフ」8月号と9月号の2ヶ月にわたり、出展全作品が掲載されます。お近くのマミフラワー教室、およびインターネットにて、どなたでもご購入いただけます。お気軽にお問い合わせください。

「FLOWER DESIGN Life」
https://www.mamifds.co.jp/life.html

作品展の様子
https://www.mamifds.co.jp/info/design2019_highlight/
https://www.mamifds.co.jp/info/design2019_compe/