マミフラワーデザイン展2019 出品レポート その1

こんにちは。Organic Flower Japan を運営管理している大沢智香です。

私は2011年からマミフラワーデザインスクールで学んでいて、2017年末に講師資格を取得しました。
先日開催された『マミフラワーデザイン展2019「日本の美」ーことば・いろ・かたちー』にて、オーガニックフラワーを使った作品を出品し、おかげさまで新人賞をいただくことが出来ました。
出品にあたっては、様々な方のお世話になり、またとても多くの学びや気づきがありました。
皆さまへのお礼の気持ちも込めて、ご報告させていただきます。

マミフラワーでは2年に1度、講師作品展が開催されます。1980年から松屋銀座で開催されてきた本作品展も20回目となり、その節目としてスクールの原点のひとつを見つめるということで、今回のテーマは「日本の美」でした。

私は、以前、生徒の時の作品展で、三宅花卉園さんのアルストロメリアを使わせていただき、日本人らしい繊細な色あいで、中間色なども含めて多くの品種を育種されていることに、とても感動しました。三宅さんのアルストロメリアは、花屋さんで普通に見かけるものに比べると小さめの花ですが、凛とした印象で「日本の美」というテーマにぴったりだと思いました。また、職人的な技術で素敵な花を栽培してくれる生産者さんがいるからこそ、多様なお花を楽しめることも日本ならではだと思い、三宅さんのアルストロメリアで再挑戦しようと決めました。

「ことば」「いろ」「かたち」の3つのサブテーマ中からは、迷わず「いろ」を選びました。

「日本のフラワーデザイン」とは何か?
マミフラワーでのフラワーデザインの原則として「美しいものであること」というのがあります。私は、コンセプトを色々考え過ぎることが多いので、今回は、出来るだけシンプルに、多くの人が美しいと感じられるものにしたいと考えました。

私は、オーガニックフラワーショップ「わなびや」さんのお花の定期便で、毎月オーガニックフラワーを購入しています。今年の2月は三宅さんのお花でした。1週間ほど自宅で飾ったあと、実家に行く用事があったので、持っていって玄関に飾りました。実家の母から「このお花は、他の花とどこか違う感じで、とても綺麗。」と近所の人にも褒められたと聞いて、ラケナリアなどちょっと変わったお花もあったけれど、オーガニックなどの説明をしなくても、何か伝わるものがあるんだろうなーと思いました。

フラワーデザインを学んでいると、植物の色々な姿に気づくようになり、枯れていく過程などにも面白さや美しさを感じるようになりますが、やっぱり原点は、きれいに咲いている花の姿に惹かれることなんだろうとも感じました。

マミフラワーでは、枝やツルなどの自然素材で花を立てたり留めたりする「花くばり」の技法があります。日本のいけばなから着想を得ていて、マミフラワーならではだと思い、花くばりをいかしたデザインにすることにしました。
自然素材での花留めは、フローラルフォーム(生花用の吸水性スポンジ)などよりも見た目も自然で、お花にも環境にも優しいと思います。

また、日々の暮らしの中で植物と触れ合うこと、身近なものを工夫して利用することも、よく言われます。
そんな中で、昨年秋に庭の藤づるを剪定して、何かに使えるかなー?と思ってボール状に編んでおいたものがあったのを思い出しました。茶色くドライに硬くなっていたので、きちんと花を支える強度がありそうだったのと、作品展の展示テーブルの大きさにも合いそうだったので、藤づるのボールにアルストロメリアを立てるデザインにすることにしました。
実際に作品展が開催される6月初めに、どんな種類や色や長さのアルストロメリアが咲いているか、分からないので、花の配置や立て方など、いくつかパターンを考えて、当日のお花に合わせて融通がきくようにしておくことにしました。

4月に入って、コンセプトややりたいことを、わなびやさんに相談し、お花の手配をお願いしました。
また、マミフラワーの大森山王センターへ、具体的なデザインの相談と器を借りに行きました。
対応していただいた濱中先生に、色を活かした花の配置のコツや、藤づるのボールに少しグリーンを入れた方が良いことなどのアドバイスをいただき、器選びも一緒に見ていただきました。
選んだ器は、金属のパラボラアンテナを加工して作られたもので、そのままだと不安定なので、器の下に支えを入れる方法なども教えていただきました。また、アルストロメリアではない花でもいいので、一度、実際に作ってみた方が良いとアドバイスいただいたので、帰り道、駅の花屋さんに寄ってみました。ちょうど、いろんな色のアルストロメリアが売られていたので、そこにあった全部で11色を1本ずつ買ってみました。

花屋さんで買ったアルストロメリアは、花も大きく、茎も太く、色もはっきりしていて、とても立派で華やかでした。私がイメージしている三宅さんのアルストロメリアとはかなり違っていて、同じ花でも本当に色々な品種があるんだなーと改めて感じました。
そして、実際に藤づるのボールに立ててみましたが、お花が重くて、なかなかうまく立てられず、予想以上に苦労してしまいました。
また、花が開きすぎていたのか、栽培方法や品種の違いなのか、あれこれ触っているうちに、花びらや葉っぱが落ちてしまったり、枝分かれしている先の部分が折れてしまったりするものもあって、とても気を使いました。
このお花で練習してみて、藤づるのボールをどうやったら器にきちんと固定できるか?花の長さや角度はどのくらいがいいか?など、色々と分かったことがあり、やってみてよかったー!とつくづく思いました。

作品展が近づいた頃、わなびやさんが連絡をくれて、お花の色や種類、長さや咲き具合、入荷日など、色々と確認してくれました。
私は、グラデーション的に繊細な形や色の違いで多彩な品種があることが日本らしい美的感覚だと感じていたので、それを表現できるように、もし可能であれば、いろんな種類の色や品種をミックスで入れて欲しいことを伝えました。また、市場では規格外となる茎が曲がったものも少しあるとのことだったので、作品に動きや表情が出るかなーと思い、それらも混ぜてもらうことにしました。長さも全部揃っていなくても、藤づるボールの大きさから30cm以上あれば、なんとかなると思ったので、長いものも短いものも混在してもらうことにしました。その他、花の色や種類や咲き具合などは、あまり細かく指定しても、その通りに都合よく咲くわけでもないし、長年アルストロメリアと向き合っていて、このお花のプロである三宅さんが一番よくご存知だろうと思い、三宅さんの判断にお任せすることにしました。

作品展の搬入前日にわなびやさんにお花を受け取りに行きました。
私は、ピンクや紫なども含めて色々くるかなー?と想像していたのですが、届いたお花は、赤、黄色、白系がメインでした。はっきり鮮やかな赤!黄!という感じではなく、朱色や紅色、珊瑚色、黄檗色といった表現が合いそうな色合いで、まさに日本の伝統色だなーと思いました。白系もベージュぽかったり、グリーンぽかったり、ほんの少しピンクが入っていたり、また花の形や模様の入り方もそれぞれ違っていて、ひとつひとつ、どれも素敵だなーと感じました。明日、どんな風に活けようかなーと考えながら、お花を眺めているだけで、なんだか幸せな気持ちになりました。