「ドイツのオーガニックフラワー 切り花について」

南ドイツに在住の正田美幸さんから、ドイツのオーガニックフラワーについて、レポートをいただきました。

こんにちは。
わたくし、この夏に一時帰国した際に、オーガニックフェアで偶然 Organic Flower Japan の大沢さんにお会いし、ドイツでのオーガニックフラワーの状況をお伝えいただけないかとのご依頼をいただきました。

私がドイツで見たオーガニック認証付きのチューリップのお話しをしたことがきっかけでしたが、正直なところ、切り花としては認証付きのお花に出会うことは、まだまだ数少ないのが現状です。

いち消費者として、日常的な感覚でお伝えすることになりますが、おつきあいいただけましたら幸いです。

ドイツでは、街の広場で開かれるマルクト(市場)の光景がよく見られます。近くの農家さんが、野菜や果物を販売していて、切り花や鉢花もたくさん売られています。これらは、必ずしもオーガニックではありませんが、地元で栽培された鮮度のいいお花を、手頃な価格で購入することが出来るため、日常的に部屋に花を飾る習慣のあるドイツでは、よく利用されています。

さて、今回オーガニックフラワーとして、ご紹介するのはEU認証マークのついたチューリップ。
もうすぐドイツ滞在丸3年となりますが、今年1月に、オーガニックの食品などを販売している BIO のお店で、オランダから輸入されたオーガニックチューリップの花束を初めて見つけました。

まさかこのように執筆のご依頼をいただくとは思ってもみませんでしたので、お花の経過を撮影しておりませんが、通常のものよりも日持ちがよく、チューリップ特有の、ひとひら花弁が落ち、その後一気にもろもろと崩れていく・・という様子は見なかったように記憶しています。

しっかりと色褪せるまで全ての花弁が揃っていました。

やはりオーガニックの力強さを感じたものです。

そして、もう一つは、ドイツの切り花市場で大手のチェーン店である「Blume 2000」について。

BIO のお花を取り扱っていることを知らずに訪れてみました。

夏真っ盛りの8月中旬ということもあり、多種多様のお花が溢れ、それはそれは美しさに目移りするほど。
EU認証マークではありませんが、鉢物や肥料にはBIO表示のされているものも多く見られました。
切り花は、フェアトレードのお花や、地域のお花が華やかで、価格も抑えられていました。

こちらの会社は、MPS(オランダの環境財団によって証明されるもので、花の生産・流通・小売における環境負荷低減プログラム)に参加していて、生産者のMPS認証取得のサポートもしています。また、会社の方針として、以下のことを社会貢献とし活動していることがわかりました。

1)地域に貢献
・地域経済の促進として地域で育てた花を調達。
・現在はお店全体の35%を地域栽培としている。これは輸送ルートを最短にすることでCO2の削減にも貢献することになる。
・地元の園芸ビジネスの強化にもつながり、強固なパートナーシップを構築できる。

2)社会的責任
・アフリカ諸国の生産者とフェアトレード契約を結び、公平な買取を行う。
・生産者の労働環境や労働条件の保証。
・生産地の環境の保全を守るために定期的に現地を視察。

3)環境配慮
・店舗ではプラスチック包装を極力減らし、再生紙などを包装に利用。また、紙、粘土、木材などの天然素材を使用した独自の包装も開発。オフィスでは再生紙のみ使用。
・店舗の買い物かごもリサイクル素材で作られたものを使用。
・支店や本部では、太陽、風力、水力などの自然エネルギーからのグリーン電力を使用。
・本社前では農薬の使用を抑えた花畑で養蜂を行い、ミツバチ保護の非営利団体を設立。

購入したヒマワリの花束は、一緒にもらった栄養剤は使用せずに、17日間持ちました。
部屋は、夏の日差しも強く、クーラーもない環境ですが、素晴らしい生命力です!

この花束は、わら縄で括られており、店内に飾られている間は、紙製のボックスの中に、プラスチックコップに水を張り花束が入れてあります。 お水が必要ならばそのまま渡され、不要ならばコップはお店に戻す仕組みで、コップは繰り返し使用されます。

日本では、花束の足元の保水として、濡れたテイッシュをアルミで包んだり、ゲルの入ったビニール袋に入れたりすることが一般的だと思いますが、ドイツのお花屋さんでは、このような至れり尽くせりのシステムはありません。

無駄なゴミが出ない、環境にも良い方法ですね。
また、購入後は自己責任で管理する、とてもヨーロッパらしい受け渡し方法だと感心します。

さて、この企業のようにお花のビジネスを一つ取り上げても、ヨーロッパ人の環境への配慮や、社会貢献という生き方が裾野まで広がっていることを感じます。

それに応える消費者の私たちも、オーガニックが身体にいい、アレルギーにならないから、という個人的な理由から購入するだけではなく、確実に地球温暖化防止に貢献しているという意識を持つことや、持続可能な地球規模の活動を目指す一員として、お花を愛でていけたらと思います。

日本でも日々の彩りを添える一つに、オーガニックのお花が取り入れられますように。

正田さんには、今後もドイツを中心に、ヨーロッパ各地のオーガニックフラワーの情報をレポートいただける予定です。次回もお楽しみに!