マミフラワーデザイン展2016 出品レポート その3

5月19日、18時半頃から作品の搬入が始まりました。
今回、すっと背の高いアルストロメリアの全体の姿を活かせるように花を足下の支えだけで立たせるデザインにしました。表から見えない位置は、吸水性スポンジを使ってもよかったのですが、ホルムアルデヒドやダイオキシンを含むものもあるらしく、せっかくオーガニックのお花だし、マミフラワーでは枝や葉などの天然素材を使って花を支える花くばりという技法をたくさん教えてくれるので、それでやろうと決めていました。

一応、午前中に自宅で一通りやってみて、うまく出来たので大丈夫と思っていたのですが、いざ会場でやり始めたら、どうしても花のバランスがとれず、試行錯誤することになりました。周りの出品者の方が手際よく設置して帰って行く中、何本か立たせてはドミノ倒しという状況を4、5回繰り返してしまい、気持ちがすごく焦って、テンパってしまい、先生に助けを求めました。結局、先生が花くばりの枝を追加してくれて、なんとか終わった時には22時を過ぎていました。

翌朝、心配だったので、9時前に会場に行きました。
一部、隣りの花に寄りかかるように倒れてしまっていましが、完全に床に落ちたりはしていなくてほっとしました。なんとかお花同士で支えてバランスがとれるようにしましたが、風が吹いても倒れそうな繊細さで、エアコンの風が当たる場所だったので、先生が、一部空調を切ってくれるよう手配してくれました。

やっと落ち着いて、他の出品者の方と話したり、作品を見たりしていたのですが、11時すぎ頃、何気なく自分の作品の近くへ行ったら、やはり何本かお花が倒れてしまっていました。
たくさんのお客様が来られる中、景介先生のギャラリートークもまわって来てしまい、もうどうしよう~という気持ちでしたが、とにかく直さないと仕方ないと思い、昨夜よりは冷静に作業出来ました。先生に足下の花くばりの応急処置をしていただき、その場はなんとか乗り切りました。

後で、景介先生が、「いいデモンストレーションでしたよ~!今度は実況中継しましょうか?」と声をかけてくれ、笑い話にしてくださり、気持ちも少し楽になりました。

その日の夜、閉場後に作品の写真撮影が行われます。撮影にむけて、しおれた花を取り替えたり、ケアする時間があるのですが、私は、午前中の応急処置で全体的に前のめりになっていたことが、すごく気になっていて、やり直すことにしました。花くばりの方法も先生から色々アドバイスいただいたので、落ち着いてやれば出来るだろうと思って始めたのですが、またしても泥沼にハマり。。。結局、本部の多くの先生を巻き込んで、22時過ぎまでかかってしまいました。

最終的に先生方のおかげで、本当にきちんと安定して立たせることが出来たのですが、茎の曲がり方と花の向きでどうしても隙間が出来てしまう箇所があり、私は、なんとかその隙間を埋めたいと気持ちがもやもやしていました。そのことを先生方に伝えたところ、岡田恵子先生に「お花は自分で向きたい方向があるんだから、こちらの都合で無理にやっても、また戻ってしまうわよ」と言われ、はっと目が覚める思いでした。いつの間にか独りよがりになっていたことに気がつき、先生の言葉をきっかけに、それまで隙間に見えていたものが、より自然なデザインの一部に見えてきて、このままの方が素敵かもと感じられるようになりました。

翌日、2日目の朝も念のため、9時に会場に行きました。お花はきちんと元気に立っていて、とても綺麗に咲いていて、安心しました。
気持ちに余裕も出来て、午前中、景介先生のギャラリートークで作品を説明する機会もいただけました。実は、前日も説明する機会をいただいたのですが、突然の事で、うまく話せなかったので、景介先生の説明を遠くからこっそり見て、お客様にわかりやすい説明を考えてきました。グラデーションになるようにデザインしたこと、切花でも花が散った後の変化が楽しめるものもあること、野菜だけでなくお花も無農薬栽培されているオーガニックフラワーというものがあるということを、とても緊張しましたが、ちゃんと説明できたと思います。
また、この日は三宅さんもわざわざ千葉からご夫妻で来ていただき、初めて直接お会い出来て、とても嬉しかったです。