マミフラワーデザイン展2016 出品レポート その1

こんにちは。Organic Flower Japan を運営管理している大沢智香です。

私は、2011年よりマミフラワーデザインスクールに通っています。2016年5月現在、フラワーデザインコースの専攻科の生徒として学んでいます。今回、マミフラワーデザイン展2016「クラシサク。」に、オーガニックフラワーを使った作品を出品しました。構想から実現まで大変多くの方にお世話になり、またとてもたくさんの学びや気づきがありました。関わっていただいた方へのお礼の気持ちも込めて、ご報告させていただきます。


 

マミフラワーでは1年おきに生徒も出品できる作品展が開催されます。
私は前回2014年に出品し、とてもよい経験だったことから、今年も出品したいと思っていました。前回の作品展以降にオーガニックフラワーとの出会いもあったことから、今回はぜひオーガニックフラワーの良さや特徴がわかるような作品にしたいなーとぼんやり思っていました。

そんな中、わなびやさんから購入していたお花の定期便の12月分に三宅花卉園さんのアルストロメリアが入っていました。はるかぜとウーパールーパーという2種類の品種の花と、バリエガータという水彩画の筆で書いたような模様のアルストロメリアの葉っぱでした。わなびやさんの定期便は、季節の旬のお花を届けてくれますが、無農薬栽培の花農家さんはまだとても少ないため、冬場はお花が少なく、枝ものなどが多い傾向です。可憐な花は、とても貴重に感じました。

三宅さんのお花は花瓶の水が腐りにくく、特に冬場はほとんど水換えをしなくても茎が傷まないため、とても長持ちです。 以前、わなびやさんから、「アルストロメリアやキルタンサスは、花びらが散ったあともまだまだ置いておくと、子房の部分が膨らんでくるものがあり、生命力を感じられますよ」と教えていただいていたので、なんとなく、ずっと飾っておきました。

それから2ヶ月後の2月、特に何もしなかったのにとてもきれいに実ができました。アルストロメリアの実を初めて見たのと、切花でもこんなに強いんだー!ということに感動し、少しずつ枯れていく葉っぱの色もキレイで、これを作品にしてみたいと思い立ちました。 花後の経緯が時系列でわかるような作品にしたら、腐りにくくて生命力のあるオーガニックフラワーの特徴をアピール出来るかなーと思いました。

また、私は、マミ先生の作品集「生命の花」の35ページの作品が大好きです。庭のオオベニガシワの葉の形と葉柄が好きで、毎年数十枚玄関の棚に飾ってきたものを、5年分集めて作ったという作品です。「最後まで見届ける」という言葉もどこかで見た記憶があり、アルストロメリアの花後を追うことは、マミ先生の視点や発想に少しでも近づけるかもという気持ちがわきました。

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三宅花卉園さんのWebサイトでは、アルストロメリアはハウス栽培されていて11月から6月頃まで手に入りそうな品種もありました。作品展までまだ3ヶ月くらいあるため、おそらく実も出来そうだと思って、早速わなびやさんに相談しました。わなびやさんもいいアイデアですね!と賛同してくださり、3月4月5月の各月で仕入れのタイミングに合わせて取り寄せていただける事になりました。
自分の計画では、茎が傷みにくいとはいえ、季節的に暖かくなっていくので、少しずつ切っていくことを想定して出来るだけ長いものを、各月5本くらいでいいかなーと考えていたのですが、5本だと全部実るかわからないので最初に多めにして可能性を高くした方が安全ではないかとアドバイスいただき、まずは 3月分を10本お願いしました。

さらに、確実に実らせるために受粉した方がいいと教えていただきました。 12月分が特に何もしなくても実ったので、全然考えていなかったのですが、なるほど~と思い、届いたお花を早速見てみたところ、どれがめしべかわからず。。。そんなのもわからないの?とバカにしていた主人が見てもわからず。。。再度、わなびやさんに聞いてみたところ、花の中の根元の方の小さい3つの点みたいなものがめしべだと教えていただき、えー!これ~?!という驚きでした。

それこそ蜂でも飼わないと無理なんじゃないかと思いつつ、改めて調べたところ、アルストロメリアは、おしべが先に成長して、後からめしべが伸びてくるらしいことがわかりました。自家受粉を防ぐためだそうです。実際1週間後くらいには、明らかにめしべがわかるようになりました。3つの点はめしべの先端の三つ又に成長していました。わなびやさんに教えていただいたとおり、花粉の入っているおしべの袋ごと取ってめしべにポンポンつけてみました。結構、細かい作業で、育種のお仕事は、これを何時間もやるのかなーと思うと、ちょっと気が遠くなりました。

3月は、セサミオレンジとセサミイエローという2品種を送っていただきました。実りやすい品種を選んでいただいたそうです。 どちらも野性的なカッコイイ感じで、きりっとした印象です。わなびやさんが、「柿みたいだと思ったら名前はゴマでした」と言われていて、確かに、セサミイエローの柄は柿っぽいな~と思うと、なんだか面白くて楽しい気持ちになりました。たくさんの品種に名前をつけていくのは、花の知識だけでなく言葉のセンスも必要なんだなーと思いました。