第5回 オーガニックライフスタイルEXPO レポート

2020年10月15日(木)〜17日(土)、東京都立産業貿易センター浜松町館にて、「第5回 オーガニックライフスタイルEXPO」が開催されました。
今回は、新型コロナウイルス対策による会期の変更や出展者の減少など制限のある開催となりました。
前回までのようなオーガニックフラワーの会場装花や出展はありませんでしたが、いくつかの出展者で花や植物に関係するお話しが伺えました。

ワンドロップファーム

千葉県有機農業推進協議会の出展ブースでは、耕作放棄地に花を育てて収穫された蜂蜜が販売されていました。

株式会社 ONE DORP FARM 代表取締役 豊増洋右さんにお話しを伺いました。

「私たちは千葉県市原市で有機農業と養蜂を行なっています。市原市は千葉県内では耕作放棄地の一番多い地域です。野菜の有機栽培をメインで行なっていますが、灌漑設備などもない不便な立地の農地は、徐々に森に還していこうとしています。現在、約200ヘクタールの土地で、緑肥にもなる花を育て、養蜂を行なっています。菜の花やクリムソンクローバー、キバナコスモスなどの丈夫で手間のかからない花を中心に、秋に1年分の種を蒔き、ある程度の抑草作業だけを行なって、季節ごとに自然に移り変わる花から採蜜しています。この管理方法で農地の有機認証も取得しています。

今後、畑から草原へ、その後、植樹をして森へ戻していく予定です。平坦な花畑での養蜂は、単位面積あたりの採蜜量が限られますが、樹木は縦に立体的に花がたくさん咲くため、森林環境の方が採蜜効率がよくなる見込みです。また、有機農業は野菜畑の中だけでなく、多様性のある周辺の自然環境もとても大切なので、そういった地域環境づくり、里山再生を目指しています。
当初、不便な耕作放棄地の管理として苦肉の索で始めましたが、今は徐々に人が集まるようになり、畑で小さな売店も営業しています。

また、蜂蜜は特定の花での単花蜜もありますが、単花蜜は花の開花時期に合わせて収穫するため、サイクルが速くなります。蜂蜜は巣箱の中である程度置いた方が熟成が進んで状態が良くなるため、私たちは百花蜜を販売しています。色々な花の蜜が混ざった非加熱の生はちみつは、季節の違いや自然な深い味わいを楽しんでいただけます。」

「ONE DROP FARM」
https://onedropfarm.jp/

おおなん・香木の森ガーデニンググッズ

香木の森公園は、島根県の中部、邑南町(おおなんちょう)にあるオーガニックガーデンです。無化学肥料、無化学農薬で花や樹木を育て、豊かで多様性のある生態系の維持と、地域の中で持続可能かつエコな公園運営がされています。
大人も子供もペットも安心して自然と触合うことの出来る公園づくりに相応しいエクステリア商品として、「おおなん・香木の森ガーデニンググッズ」は開発されました。薬品不使用で高い耐久性を実現するE’s-WOODの技術を利用して、地元の間伐材を加工して製造されています。

E’s-WOOD(エステックウッド)は、木材を窒素で加圧加熱することで、木の腐りやすい成分を分解処理した軽量化木材です。薬品を一切使用しないため安全性が高く、防腐・防虫・耐水・断熱・形状安定性に優れた特性を持ちます。既に公共施設や個人住宅の建材として多く使用されており、公立公園の遊歩道で20年以上の耐久性の実績もあります。

今回、展示されていたコンポスト、プランター、木レンガなどは、見た目は通常の木製品ですが、持ってみるととても軽くて驚きました。女性やお子さんでも扱いやすいと思います。収納や使い勝手も考慮されていて、木目や木肌の自然な風合いが生かされたシンプルなデザインは、ナチュラルなお庭やベランダはもちろん、店舗の内外装などにも利用出来そうです。

香木の森公園
https://ohnan-kanko.com/koboku/

株式会社 出雲木材市場
http://www.izumomokuzai.com/

キッチンガーデン

企画テーマゾーンのキッチンガーデンのブースでは、観葉植物が提案されていました。

新型コロナウイルス対策に伴い、自宅で過ごす時間が増えた方も多いと思います。
アメリカのNASAの研究では、アレカヤシやボストンファーンなどの屋内植物は、ホルムアルデヒドなどの揮発性有機汚染物質を除去する空気清浄の効果があると言われているそうです。(NASA Clean Air Study)

これらの植物は、屋内でも育てやすく、湿度調整やリラックス効果もあるそうです。
ぜひオフィスやお部屋などの生活空間に植物をとりいれ、健康で快適に暮らしていきましょう。

「一般社団法人 SEEDS OF LIFE」
http://www.seedsol.org

SOCIAL GREEN DESIGN

たくさんの植物で装飾された展示ブースでは、ソーシャルグリーンデザインという活動が紹介されていました。

ソーシャルグリーンデザインとは、これからのみどりと社会の関係性について、みんなで考える新しいデザインムーブメントです。「みどり」は、戦後の高度経済成長期における環境問題を契機として全国で整備されてきましたが、成長から成熟の時代を迎えた今、「新しいみどり」が必要となってきています。

ソーシャルグリーンデザインを通じて、地域経済の発展と社会課題の解決を図るための「新しいみどりの価値を伝える人材」を育成し、さまざまな活動を展開していきます。
2020年11月よりトークイベントと実践志向型ワークショップが開催されます。詳細は公式サイトをご参照ください。

「SOCIAL GREEN DESIGN」
https://socialgreendesign.jp/